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APUの写真。その学内はあまりにもきれいすぎる。 |
Page7 帰り道
「ああ、もう疲れたね。体力的にも厳しいんだわ。これ以上会うのはよしていただけないかね」 話しているうちに高田はそう言った。そして、今井は感謝の意を述べて家を晴れた陽の当たる住宅街を出た。自転車に乗り、冨士見通りに通じる坂を猛スピードで下る。頭の中は無音。ただ、これからまた授業に参加するだけなのだ。話の内容と現実の差がありすぎる。それだけが頭の中にポツンと浮かんできた。 日本の中に戦争という殺し合いは60年以上もない。雨宮処凛は自殺する人が3万人を超えていて、それが戦争状態みたいなものとは言ったことがある。子どもが親を残忍に殺すということもあるだろう。しかし、今のところ国家同士が死力を尽くして争うようなことはない。ただ、「となり町戦争」みたいに知らないうちに「戦死者報告」はされている。テレビで、ラジオで、インターネットで、現実にだ。 社会の中ですべての戦争が終わることは現時点の段階では不可能といっていいだろう。しかし、今井は無機質で抑揚のない教員の声を聞きながら、何かは考えなければいけないのだろう、と漠然と考えている。わからないことはわからない、でもわからないのだから追求しなければいけないのではないんじゃないか。無駄な正義感だと今井は他方でも考えながらも、強くそう思った。 「Hey,Nori!! Come on, let’s eat dinner,yo!!」 授業が終わったあと、カフェテリアの前で突っ立っていた今井にそんな陽気な声がかかった。今井はいつも通り学生たちが入り乱れるカフェテリアの中に埋もれていった。 |
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記者:今井紀明 |
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