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別府ぅな侍
図書館で借りた本など。
 
Page3 図書館にあった手記 手紙を書く

一ヶ月後、四月二日午前一時前にシカゴから今井は帰ってきた。その朝から今井は別府市立図書館に自転車で行き、どのような資料があるか調べた。「別府郷土資料」というコーナーを隈無く見てどのような本があるのか見て行くうちに、「ソ満国境地獄の戦場 生死の狭間」という本を見つけた。内容を少し読み、後書きの辺りに書いた人の名前と住所、電話番号が書いてあることを見つけてノートに書いた。この「生死の狭間」は「館内閲覧専用」とシールが貼ってあったので仕方なく棚に戻し、他に本を探す。「戦争の欠片」という別府市に現在住んでいる方の回顧録を見つけたが、それ以外にはあまりなかったために館員の方の所に行ってみた。

「すいません、ちょっと聞きたいことがあるんですが」と僕は若い男性館員に話す。
「はい、何でしょうか?」と背のあまり高くない男性館員は言った。
「わたくし、APUの学生で今、別府市の在住の方が昔戦争に参加した体験などを書いた手記などを探しているのですが」
「ああ、そうなんですか。そうですね、少々お待ちください」

 そう言って男性館員は女性館員と後ろを向いて話した。すると、女性館員が奥の方に行き、男性館員は今探しておりますので、と言って僕に待つように言った。僕はカウンターの前で少し待っていると、女性館員が戻ってきた。

「どうも、お待たせいたしました。こちらがですね、まだ郷土資料として出してはいないのですが、資料になっています。お貸しすることはできませんが、コピーすることはできますので、その場合はいってください」

 そういって黄色いカバーの本と雑然と本にまとめられたような紙の束をもらい、僕はその内容を確認して一部をコピーして図書館を出た。寝不足の目には陽が強く、僕は目を細めながら階段を降り友永のパンを買って自転車をこぎだした。

 その週のうちに今井は家で手紙を書いた。「生死の谷間」の著者である高田邦夫に会いたいと思っていた。なるべく失礼のないように、と敬語が苦手な今井は時間をかけて手紙を用意した。

 翌日、今井は亀川のローソンに行き、店員に切手を買いたい、と話した。

「八十円切手がないのですが、十円と五十円のでよろしいですか」といつもの店員さんが僕に言う。
「はい、お願いします」

 今井は切手を貼り、郵便ポストに入れた。四月の初めのことである。まだ肌寒い日が続き、鶴見岳には一時雪が積もることもあった。その中で学校が始まり、今井は電話を受け取った。

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記者:今井紀明