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別府ぅな侍
インタビュー後、椅子に座って撮影させてもらった。
 
専門は何ですか?
私は神戸商科大学に入り、その後京都大学の大学院で会計学を学びました。余り好きな専門ではありませんでしたが、今はこれを勉強してよかったと思っています。そして、大学院卒業後は大阪経済大学に6年勤めて、その後は九州大学に移りました。1972年で万博の終わる年で、そのころはまだ新幹線も開通しておらず、福岡もまだまだ小さな田舎街でした。「大変なところに来たなあ」というのが感想でした(笑)。そのころはまだ地下鉄もなく、チンチン電車で天神から九州大学の箱崎まで40か50分ぐらいかかったのではないでしょうか。しかし、千代町に大きな古い古本屋があり、大学の近辺にも何軒も古本屋があり、学問の町という感じでした。
福岡がまだ今日のような大きな都市ではなかった頃にそこに移られたんですね。九州大学で学生から受けた影響はどうでしたか?
一つ大きいのは、教える中で学んだことです。学生たちは良くノートをとり、静かによく聞いており、教える中で自分が分かっていないことが分かり、また勉強することが多かったです。それで、九州大学にいたときは授業のための準備も大変だったし、学生もいろいろ質問してくることも多く、大変よく勉強しました。私の周りには尊敬すべきすばらしい先生方もおられ、大いに刺激を受けました。大学は学問が第1で、学問しない人は発言権がないという雰囲気を学びました。今の大学はどうでしょうか?
40年近く大学で教員をしてこられた中で、自分が挫折した経験はありますか?
挫折ということはいつも経験しますが、どうにもならなかったことはありません。研究の行き詰まりもありましたが、それで苦しみもがいたことはありませんね。少年時代の遊びすぎからくるハンディと思っていますので、勉強すれば解決できると考えます。研究者というのはある意味恵まれていて、自分の努力で克服できるところが大きいですね。企業の管理者や従業員は自分の努力も必要ですが、周りの環境や組織力にかなり左右されるのではないでしょうか。いま大学もそのようになりつつありますが、研究そのものは個人でがんばれば、相当な部分が解決します。その努力が自分の喜びに直接繋がります。しかも、学問は絶えず未知の世界と格闘しているし、過去ともつながっていますね。これほど楽しい職業はありませんが、最近研究する時間がなくなっているのが残念ですね。
それでは、教員をしてこられた経験から今と昔の学生の違いなどを感じられることはあるでしょうか?
私立大学と国立大学の学生の比較はできませんが、昔はゼミでも先生と学生の関係はもっと親密だったのではないでしょうか。学生と一緒に旅行したり、飲んだりしながら、勉強の話をしたり、人生観を語り合ったりしましたね。最近はこうした関係はだんだん薄らいできたというか、先生を学問の先輩としてというよりか、それとは別の存在物(友達のような、親のようなもの??)として感じているように思われます。よい意味で今の学生は個性的で,のびのびしているように思いますが、やはり問題への取り組み、疑問を持つことには弱さがあるように思います。大学での教養教育、特に哲学や倫理学、論理学などが軽視されてきた結果かもしれませんね。
もう一つ聞きたかったのですが、別府大学の学長として別府はどのように映っているのでしょうか?
別府大学に去年の4月に赴任し、鉄輪に住み始めました。初めて別府に来たのは高等学校の修学旅行のときで、別府港から関西汽船を使って帰りました。そのころの別府の町はとてもにぎやかでいま以上に明るかったように思います。それが今度来たら非常に静かで、人が少なくなっているのには驚きました。わたしはこの街が非常に好きですが、本当に大きく変化したと思います。別府はこれまで日本の観光の中心的な役割を果たしてきましたが、今の観光は温泉には限定されなくなってきていますね。温泉に何かプラスされないと、人はよりつかない。そういう意味での別府の再生は必要かもしれません。温泉がダメというより、温泉を今日的にどのように活かすかが問題だと思いますね。
最後に、別府の可能性について聞きたいのですが。
これだけ豊かな自然に囲まれている地域は日本でもすくないですね。日本全国が東京やニューヨークに類似していっているなかで貴重な存在です。温泉そのものも他の場所と比較にならないものです。海、山の自然環境もすばらしく、食べ物もおいしい、しかしそこに住んでいる人々はその良さにあまり気付いていない。それを再認識し、単なる開発だけでなく、よい方向に活かすのがこれからの課題ではないでしょうか。東京や大阪など大都市には見られない、日本では無くなっている歴史的な遺産、自然、食、人の心など、別府にしかないものを再認識し、育て、世界で輝いている別府にしたいものですね。別府には、また、別府大学やAPUなどの知的財産があり、それらが十分に地域に機能することが大切ですね。
わかりました。ありがとうございました。これからも別府のことについて語っていってくださいね。
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記者:今井紀明
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